2014年12月29日月曜日

TFAがんばって、そしてTFJも

Wendy Koppが1989年Teach For Americaを設立して、今年で25年。これだけの規模で活動を展開して、教育格差に取組んでいることはとても意義のあることだと思う。TFAのマーケティングはとてもうまいので、成果の点をキレイにPRできていると思うけど、それを割り引いても、良い影響を与えているに違いない。日本のTeach For Japanも、TFAのような成果・意義を生み出してくれたらいいな-。

で、そのTFAはいま、これまで以上に逆境に立たされているかもしれない。


元々、TFAに対しては、教師や他の補助金を巡る既得権益層から批判の声が上がっていた。Cohort(TFAの教師)からも、一部で批判の声が出ていたわけだけど、最近その手の記事を特に目にする。

これは今月中旬に書かれた記事で、TFAが採用目標を25%下回る可能性がある、とするもの。これだけなら中立的なんだけど、批判的な内容を盛り込んでいるし、記事に対するコメントがほぼAnti-TFA。
Teach For America could miss recruitment mark by more than 25 percent
http://www.washingtonpost.com/blogs/answer-sheet/wp/2014/12/15/teach-for-america-could-miss-recruitment-mark-by-more-than-25-percent/
採用目標を大きく下回りそうな要因として、学卒の経済状況や、教師という仕事のハードさについて理解が進んだことなどがあるにしても、確かに一部は批判者が言うように、TFAの提供するサポートも影響してそう。

イェールの中にも、TFA出身者がたくさんいて、彼らの話を聞くことは多い。支持をする人と批判する人とで二分されていて、その背景は記事の中で指摘されているようなことに関連する。

TFA出身のクラスメートによると、ひとつは、トレーニング。5週間でやることが不十分なケースがあるらしい。もう一つはサポート。派遣先地域によっては、TFAからのサポートが殆どなく、孤軍奮闘する羽目になるとか。

そのため、2年間生徒にちゃんと教えることができなかったり、途中で心折れて辞めてしまったりすることもあり、それが学校現場に混乱を招いてしまうケースも残念ながら存在するらしい。その点を特に、TFAに批判的な人達は非難している。確かに、全員が続ける、ということは難しい気がする、理想と現実のギャップに苦しんで辞める人ってどの会社にもいるし。気になるのは、その率が教職新卒平均と比較して高いのか低いのか、という点。

また、TFA Cohortを受け入れるための枠を用意するために、既存の先生を解雇するケースや、うんざりして離職するケースもあるとか。この点に関しては、ステークホルダーによるポジショントークが多くありそう。いずれにしても、熱意のある先生が来ているなら、2年間の限定期間であれ、協力し合えば良いだろうにと思う。ただ、この辺は現場を知らないから何とも言えないので、経験者の声を更に聞いてみたいなと思う。

で、この他によく指摘されているのが、2年間という期間。「2年間で辞めていったら生徒に精神的に良くない影響を与える」という批判。個人的には、2年間でも環境が良くなるならいいのでは、と。それに、アメリカって、教えることのできる年齢や科目が厳格に定められてて、長い間教えるにしても、2~4年で生徒は別の先生に移ったはず(記憶が正しければ)。あと、2年で先生が去ることによる精神的影響ってそんなに大きいのかなー。日本の学校、2年ごとに担任が替わってたし、異動してたし、あんまり大差ないように感じられる。

ということで、TFAにも善し悪しはあるんだろうけど、既にシステムの中で教育格差に取組んでいるわけだし、既存の教育組織はTFAの良き部分をどう伸長させるか考えて、TFAと協力、あるいは、活用できるか検討すれば良いのに。

自分自身、先生との出会いによって人生が大きく変った。だから、先生の影響力は本当に大きいんだと実感してる。大人の事情によるポジショントーク的批判はいらないから、子供の観点で物事が進めば良いなと。日本も同様に。

TFAがんばってほしい。そして、新しいTFJも。

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