2015年3月20日金曜日

各国フルブライターとの会話のまとめ

フルブライトエンリッチメントセミナーで各国の人と話して気づいたこと、知ったことをちゃちゃっとまとめてみた。


  • 全体
    • 3カ国語は当たり前。多いケースは6か7カ国語。もう頭混乱してくる。
    • フルブライターの研究テーマは、出身国の経済や今後の戦略と密接に結びついている。これは、フルブライトのプログラムが、国によっては政府によって一部または全額賄われていることによる。
    • フルブライトと大学への応募手続きが、国により異なる。日本の場合は同時並行(スケジュール上フルブライトが先)だが、お国事情でフルブライトへの応募は進学先大学への合格が決定した後だったり、フルブライト通過後に大学応募(フルブライドが勝手に申請)だったりするらしい。
  • 国別
    • アルメニア
      • ソ連崩壊時の混乱で電気ガス水道などのライフラインの供給が途絶え、100年前のような生活にもどった。
    • ラトビア
      • 歴史的背景から、ロシアには複雑な感情を抱くことがある。頭ではわかっていても、好感情を抱くことが難しいことがある、という。
    • トルコ
      • 次の選挙でもし既存のAKPの党首エルドアンが再選されることになれば大規模なデモが起こると確信している、とのこと。宗教分離を覆すような、政府による方針転換に対して若者世代は反発しているという。よく知らなかったが、エルドアンは、トルコをかつてのオスマン帝国のようにするという野望を抱いている(と認識されている)ようで、その思想・野望に対して嫌悪感を抱いているらしい。
    • コンゴ
      • 部族間の紛争やいざこざなどにより、国の状況が複雑。自分のことをして生きるつもりはなく、フルブライターとして与えられた機会を活用し国のために尽くしたいと思っている。
    • ドイツ
      • ギリシャとの軋轢はあるようで、最近の第二次世界大戦の補償に関する発表も水を差す要因になったという。歴史的に補償は済んでおり、かつ、ドイツ政府主体で数多くの支援を金融危機後提供しているにも関わらず、上記要求をしたことでより一層否定的に受け止められたらしい。
      • EU統合後の成長性の違いについても、主張が食い違うことが多く、それも不和の一因になってる模様。国民性の違いからか、ドイツは労働生産性を高めて企業体質を改善したと認識している一方、南欧諸国、とくにギリシャは、当該諸国の加入によるユーロ安の恩恵とのこと。だからこれを還元して当たり前だ!という意見も聞こえてくるとか。
      • 足下のスペインの経済事情によりスペインからの労働力がドイツ国内に流入しているようで、一部には不満を抱えるドイツ国民が増えているという。移民の問題よりも、EUの構造に影響しそうでちょっと心配。
    • アフガニスタン
      • 主な内容は以前のエントリーで書いたので割愛。
      • 文化的に、友人が言うには日本と似ているとか。空気を読む、と言う部分が尊重されるらしく、どうもハイコンテクストのよう。個人的には、インドとパキスタンと近いから、ローコンテクストでなんでも主張するような気がしていたから意外。
    • チリ
      • 経済構造は銅のモノカルチャーに近く、知識層には経済の安定性の面で不安感がある。
      • サーモンの養殖・輸出も重要な産業の一つだが、養殖場でサーモンの病気が蔓延したことで一時的に退廃。生産地を移しててこ入れをしている段階というが、友人いわく過去と同じ過ちを犯すだろうとのこと。つまり病気が再度蔓延する、だろうとの予想。
      • 背景には、単位面積あたりのサーモンの養殖数を最適とされる数よりも多めに設定してしまう傾向がまだ残っているから、という。少しだけサーモン市場を見ていたことがあったから、この一連の話は非常に興味深い。
    • 中国
      • 都市部と農村部との教育機会の格差が大きく、政府として是正することをめざしているという。Teach For Chinaの活動を含め、農村部の教育の質を向上させる取り組みはあるものの、政府としてもっと力を入れていきたいみたい。
    • インドネシア
      • 都市化が著しく進み渋滞がひどい、昔(私が住んでいた20年弱前)とは多い違いという。
      • いまの大統領は精力的に活動しているようで、国民からの信頼度は今のところ高いとか。
      • Gateway Orientationの時と同様、日本の漫画・アニメに関心が高いらしい。ただ、いまは韓国のファッションやドラマが若者(10代後半から20代前半)に人気らしい。

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